2022年8月28日、新豊洲にあるタワーマンション「ベイズタワー&ガーデン」のキッズガーデンにて、「夏休みアートワークショップ」を実施しました。
「花」をテーマに、大きなキャンバスに思い思いの絵を描いた子どもたち。
ワークショップ終了後、講師を務めた現代アーティストの小田佑二さんと、イベントを企画・運営した現代アート・絵画の通販サイト「WASABI」ディレクターの村松歩実さんにお話を聞きました。
ー本日のイベントについて、どのような経緯で開催することになったのでしょうか
村松:「WASABI」では、法人・個人向けにアート作品の販売や、ウォールアートをおこなっています。アート作品はオンラインで販売しているため、このようなリアルイベントを開催することはあまりありませんでした。
私たちは「暮らしを、アートに」をビジョンとして掲げているため、暮らしの中心である住まいを会場としたイベントは相性がいいと思い、合同でイベントを実施することになりました。
ーどのように企画を立てられたのですか?
村松:私はタワーマンションに住んだことがないため、最初はイメージが湧きませんでした。会場であるキッズルームを見学し、広々とした空間からイベントの形ができてきたんです。
小田さんにお声掛けしたのは、明るい色使いにダイナミックなワークショップをされており、人柄も元気な方なので、子ども向けイベントに適性があるのではと考えました。
普段、アーティストさんと直接お会いする機会も多くないため、どんなイベントになるのか私自身も楽しみでした。
ー小田さんは様々なアートワークショップを実施されているそうですね
小田:小学校入学前から小学校高学年ぐらいの年代を中心に、ワークショップを実施しています。音楽フェスのキッズエリアのコンテンツなど、屋外でおこなうことが多いです。
このようなタワーマンションのキッズルームでワークショップを行うのは初めてでした。
村松:小田さんは豊富な経験をお持ちなので、一緒に現地を見学した際に部屋の使い方、サイズ、絵を描く高さなど話し合ってワークショップの内容を決定しました。
小田:僕はよく花をテーマとして作品をつくっているので、ワークショップのテーマも「花」にしました。典型的な花のイメージだけでなく、むしろそれを壊して、自分なりの花を描いて欲しいと思って。
テーマを設けるのは、意識する対象があった方が、テーマに沿った・沿わないに関わらず、絵を楽しく描けるかもと考えたからです。全体を明るい雰囲気の絵にしたいなという思いもあり、「花」をテーマにしました。
ー単に一緒に絵を描くだけでなく、作品を持ち帰れる点がユニークに感じました
小田:描くことでアーティストの体験ができます。さらに作品をトリミングをすることで、編集者の経験もできるのではないかと思いつきました。それに、思い出として持ち帰れるものを残したいなと。
ペインターさんの中にも、大きな作品の一部を切り取って作品をつくる手法を取る方がいます。描く、選ぶという2つの体験をすることで、プレイヤーと編集、両方の視点を感じてもらえるのではないかと思います。
ー参加したお子さんの様子はいかがでしたか?
村松:迷って描き始められないお子さんは、いなかったなと思います。みんな自分のアイデアをどんどん描いていって、とても自立しているなと感じました。
大人からは無秩序に見えるけれど、子どもたちが自分なりの秩序を持って描いているのが印象に残りました。
どういう思いで描いたのか、自分の作品をプレゼンする時間を設けても面白いのではと思いました。
ご両親だけでなく、他の家族、マンション内の住民の方に見ていただけるような仕掛けも取り組んでみたいです。
小田:みんなのびのび描いてくれていたと思います。普段からワークショップをしていますが、今回は礼儀正しい子が多かったのが印象的です。インクを使い終わったらテーブルに戻して新しい色を選ぶなど、僕の言ったことを守ってくれていました。
イベントによって参加者のカラーがありますね。今回は絵をしっかり描き、完成を目指す子がほとんどだった印象です。
茎の先、花びらがある部分に顔を描いている子がいて、ユニークだなと思いました。お子さんの描いた絵は、自分の作品へのインスピレーションにもなっています。
小田:形式やテーマを変えて、ワークショップを続けていきたいと思っています。たとえば、いろいろな場所を訪ねて実施するとか。地域の方々とのワークショップにもチャレンジしてみたいです。
今アイデアとしてあるのは、参加型の壁画製作です。僕が下書きした絵を参加者が塗るワークショップを実施していますが、逆に参加者が自由に描いた絵を、僕が編集して壁画にするなど。これまでにない作品ができて、楽しいのではないかと考えています。
また、絵を介したコミュニケーションを生んでいきたいです。
デッサンなどの「上手な絵の描き方」となると、ある程度の描き方のルールがあります。僕のやるワークショップでは、上手に描くことよりも楽しんで描くこと目指しているので、つくることが好きになるきっかけを提供できればと思います。
村松:小田さんと一緒にワークショップを実施して、もっとアーティストさんと関わっていきたいなと思いました。お客様との接点も持ちたいです。
絵を描くワークショップ以外にも、たとえばマンションの部屋を訪ねて、絵を提案したりご家族様と一緒に作品を選ぶのは面白いのではないかなと思います。家族で選んだ絵が家の中にあることは選んだことも思い出になり、そこからストーリーは始まります。
今回、お子さん同士がワークショップ中に仲良くなる様子を目にしました。何かを一緒につくることでつながりができます。日常では出会えなかった同じマンションの住人と知り合うきっかけを提供できたことを嬉しく思います。
ーありがとうございました
小田佑二 / Yuji Oda
Instagram
GOOUT CAMP、六本木アートナイト、FUJI ROCK FESTIVALなど、イベントでのライブペイントや国内外での壁画制作・作品発表をはじめ、書籍、音楽、ファッションなど様々なジャンルのアートワークを手がける。
GOOUT CAMP、SUMMER SONIC、AIR JAMなど音楽フェスのキッズエリアでのワークショップや、壁画制作の過程としてのペイントワークショップも行っている。
<WASABIについて>
現代アート・絵画を購入できる販売・通販サイト。「暮らしを、アートに。」をテーマに2016年7月よりサービスを開始。お部屋に似合うアートの提案もおこなう。
https://nomal.jp/wasabi/
壁一面のキャンバスに絵を描き、持ち帰る体験は特別な夏の思い出になったのではないでしょうか。枠に収まらない絵を思い思いに描き、A4サイズの作品に編集するという手法はユニークだと感じました。
新都市生活研究所では、今後もマンション内でさまざまな体験ができるイベントを展開していきます。
主催:B2・B3共通団地管理組合法人
共催:株式会社新都市生活研究所、株式会社NOMAL、JAPAN AX PROJECT
文:村上美里
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